システィーナ歌舞伎「NOBUNAGA」の覚書
以下、ネタバレしかありません。
大塚美術館前の横断歩道の信号機がすごく鮮やかなブルー(緑ではない)。
私の席はBブロックだったため、プロジェクションマッピングに気付かなかった。それでも十分、美しい音と光の演出だった。
1週間ほどの稽古で本番(@今井さんがめざましテレビで言ってた)。プロってすごい。完成度。
システィーナ歌舞伎は毎回新作をやるそうなので、もう「NOBUNAGA」は観られない。
【見どころ】
・舞台はポルトガルから始まる。
・ヴァリニャーノ神父とフロイスさん。自分自身がわからない苛立ちの演技は少し、拙い。
・ポルトガルの街で、フラメンコ。会場全体が息をのんだように思えた。あぁ、今井さんだと思った。舞台上にたった一人でこれだけ魅せられる踊り。指先の動き、所作が本当に美しい。もうこのフラメンコだけで、私的には元が取れました。本当に観に来てよかった。
・宣教師として信長さんに会いに来た時にはすっかり落ち着いていて、素敵な青年になっていたフロイスさん(何があった?!)。落ち着いた今井さんの声がとても良い。
・一幕はヴァンパイアが信長1さんを捕らえるシーンで終わる。イサドラさんの発声が素晴らしく、ささやくようなセリフなのに、すごく聞き取りやすい。
・ヴァンパイア曲はベートーヴェンの月光。
・2幕冒頭に、今井さんの歌とダンス。相変わらず、響きのある素敵な声質。
・フロイスさんの説明によるとヴァンパイアはオーストリアから来たらしい。ルーマニアじゃないんだ、と私は思った(←どうでもいい)。
・光秀さんとフロイスさんが、信長1さんとイサドラさんと戦うシーンは、エンターテインメントの極み(殺陣です)。
・カーテンコールの蘭丸さんが、ぴょこぴょこしていて可愛い。
・愛之助さんの優しさ。まず眼差しが優しい(芝居以外の時)。
・ヴァンパイアという題材は突飛に思えたが、システィーナ・ホールの雰囲気とよく合っていた。
【私の勝手な解釈による、簡単なストーリー概要】
ポルトガルで自分自身の事すら理解できず苛立ちを抱えていたフロイスさん。ヴァリニャーノ神父から「ジャポンに一緒に行かないか」と誘われる。
その頃、日本では織田家の後継者についての秘密を、信秀さんが家臣の平手さんに打ち明けていた。
信秀さん「実は信長って双子だったんだよね。双子は縁起悪いから、片方寺に預けてたんだ。今日二人を会わせるつもり、二人を後継者に決めたから」
平手さん「片方を影武者にするのではなく??」
信秀さん「お互いに足りないところを補い合って、天下を泰平にしてほしいんだ。相談するのはいいけど、今後顔を合わせるのはダメだよ。これは織田家の秘密だからね」
子供達「父上の言う通りにします」
そして、家督を継いだ信長さんは、桶狭間とか美濃平定とか、信長包囲網で浅井さんが裏切ったり、朝倉に味方した比叡山延暦寺の焼き討ちをしたりした。楽市楽座で安土城下が賑わったりもしていた。
そんな折、フロイスさんとヴァリニャーノ神父が貢物を持って信長さんに挨拶。キリシタン大名も着々と増えていますとの由。
そして、ヴァンパイアのイサドラさん登場。ポルトガル王室から派遣されたと言葉巧みに信長さんに取り入って、最終的には信長さんを眷族に(1幕終了)。
イサドラさんは、信長1さんだけでなく、蘭丸さんも取り込んで、やりたい放題。
酒宴に耽り、意味もなく人を殺すなど残酷なふるまいをし、政治を顧みなくなったなった信長1さんに、柴田勝家さん辺りも苦言を呈するが、効果なし。阿濃の方も泣いています。
そんなある日、光秀さんは信長1さんと二人きりになった時に血を吸われそうになるのですが、光秀さんの体が光って、信長1さんは苦しみます。「そなた、いつの間にキリシタンに」そのまま逃げていく信長1さん。
フロイスさんからヴァンパイアについての説明を聞く光秀さん。その時、信長2さんに「キリシタン大名を集めて信長を討て」と命じられます。
信長さんに信長を討てと言われて混乱する光秀さん。なんでも知ってるフロイスさんが織田家の秘密を暴露。光秀さんは覚悟を固めます。
本能寺で、蘭丸さん、イサドラさん、信長1さんと戦う、光秀フロイスコンビ。お守りは勿論十字架です。最終的には不死身のヴァンパイアを焼き払いました。
これからどうしよう、そんな信長2さんに、フロイスさんは優しく声を掛けます。「一緒にイスパニアに行きませんか?」
こうして、フロイスさんと信長2さんは、二人でイスパニアに旅立った(たぶん)。
(ファンとして)
今井さんの踊りをみた時にね。心がふるえました。こんなに私の心を惹きつける今井さんのダンスは、私にとって唯一無二だと実感しました。それをまたみることが出来る喜びをかみしめました。
フラメンコ、相変わらず、すっごく素敵だったよ。魂に響いたよ。もしかしたら以前より素晴らしくなっているかもしれないと思ったよ。
今井さんのターン綺麗だよね。私は大好きだ。徳島空港のテレビ画面で、システィーナ歌舞伎のニュースがやっていて、正面からみた今井さんのターンは少しふらついていたかもしれないけど。会場の観客は息をのむくらい引き込まれていたよ。すごい吸引力だった。
ニュースで「得意のフラメンコを披露しました」って紹介されていてね。翼くんがフラメンコに出会って良かったって、心から思った。それに記者の方もあたたかくて、それに答える今井さんの表情も慈愛に満ちていて、皆さんに対する心の底からの感謝の気持ちが滲み出ていた。
外見とか体系は、私は拘らないから、健康でいてさえくれれば、私は嬉しい。だから、ちょっと痩せすぎかな、と心配しました。
そしてね。大きな声で言えなくなっていたんだけど、私、今井さんの歌声が大好きなんだ。もしかしたら、音程を感じることが難しくなっているのかな(聞こえにくくなっているのかな)、と勝手に想像していました。自分の出した音が正確に聞こえないと歌手は難しいから、今井さんの歌は、悲しいけど、諦めるしかないと思っていたのですが、ただの杞憂でした。
今井さんの生歌最高なんだよ!!声の響きがとっても美しくて(これは天性のものだけど)、さすが歌手だった!さすがプロだった!!